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「優秀な人材」以前に施工管理技士がいない!原因や国の対策は?

編集部 2021年07月15日

建設業界の人事界隈でもう何年もずっと言われ続けている「施工管理技士不足」。

業界全体が人材不足に悩む中、施工管理技士、とりわけ監理技術者になれる1級の施工管理技士の不足は深刻な状況が続いています。

2021年4月からは施工管理技士の不足を補うべく「技士補」の資格が新設され、状況の改善が期待されていますが、そもそもなぜ施工管理技士はずっと不足し続けているのでしょうか? 国は手をこまねいているばかりなのでしょうか?

 

施工管理技士は若手不足?

建設会社が元請けとして4,000万円以上の工事を請け負う場合には、現場ごとに「監理技術者」を選任することが法律で義務付けられています。したがって、元請け規模の建設会社では、手掛けている現場の数だけ監理技術者が必要です。そして、監理技術者の資格を取るための要件として「1級○○施工管理技士」の資格が必要なのですが、この施工管理技士が不足しているともう何年もずっと言われ続けているのです。

実際、ヒューマンリソシアが運営する建設技術者専門転職支援サイトの建設転職ナビで検索してみたところ、全求人の半数が施工管理に関連した求人でした(2021年6月現在)。そのくらい業界全体で施工管理職は不足しているのです。

現場に駐在している監理技術者や、施工管理技士の資格を取得し建設現場で施工管理などの業務を行っている人で若い人はあまり見かけません。そもそも、建設技術者全般に高年齢化が進み、若い人が少なくなってきていると言われています。

【図表 建設技術者の年齢層別構成比の推移】

sp201812-03出典:ヒューマンリソシア総研独自分析レポートより

人手不足の原因は?

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3Kの仕事だから

一般的な工事現場は「きつい」「汚い」「危険」のいわゆる「3K」と呼ばれる職場に該当してしまいます。加えて長時間労働が常態化しており、さらには工事現場に常駐すると慣れない人間関係や仕事のストレスで、大きなプレッシャーがかかります。

若い人はこのような仕事を敬遠する傾向にありますし、施工管理の仕事が嫌になったらすぐに転職してしまうことが多いため、施工管理技士には若手があまり定着しないと考えられます。

責任に給料が見合わない

施工管理は、現場の数だけ必要になる高い需要のある仕事ですが、イコール給料が高い企業ばかりではありません。むしろ、どちらかと言えば長時間労働と重い責任に見合った給料『ではない』企業が多い傾向にあります。

企業によって給料は異なりますので、給料が低い企業に勤めている施工管理技士は年収アップを狙って転職してしまうこともあります。

人間関係が大変

建設現場では、若い人から年配の方まで職能もキャリアもばらばらの非常に多くの人間が出入りします。そして、それら多種多様な人々を束ねていくのが施工管理の仕事のひとつです。

建設現場に来る方の中には、言うことを聞いてくれなかったり、怒鳴ってきたりする方もいて、人間関係が非常に大変です。昔ながらの徒弟制度のマインドが残る建設業界では、特に若い人は年配の方にナメられて対応されることもあることから、若手の定着率が低くなっています。

キャリアアップが不透明

キャリアプランが不透明な企業もあるため、定着しないことも原因です。

企業にもよりますが、キャリアプランが不透明な状態で働くことに将来の不安を覚えて若手が転・退職してしまうこともあります。特に、自分のライフプランや将来像をしっかり持っている有能な若手ほどそういった傾向にあります。

経験を積んだら現場に常駐せず多くの現場を飛び回り、各工事現場で指導監督的な立場となり、管理職のような業務へとステップアップ・・・というのが典型的なキャリアアップの形ではありますが、ひとつのキャリアパスだけでなく多様な働き方に対応できる柔軟なキャリア制度が求められています。

そもそも施工管理という仕事に興味がない

若手が理想とする仕事の中に、「施工管理」が含まれていないことも若手が定着しない原因です。

施工管理は何もない工事現場から徐々に建物や工場などを建築していき、竣工まで責任を持って管理するという非常に重要な仕事です。しかし、いくら重要な仕事でもそれを知らなければ興味を持つこともありませんし、責任に見合った報酬も得られないのでは「やりがい搾取」と揶揄されても仕方ありません。

国はどんな対策を講じている?

そんな施工管理技士の人手不足を緩和するため、国土交通省は施工管理技士の人手不足を是正するために対策を立てています。

その中の一つが、国土交通省が策定した「建設業働き方改革加速化プログラム」です。今後は長時間労働の是正やIoT技術の導入による効率化などで、施工管理技士が働きやすい労働環境になることが期待されています。

具体的な取り組み内容については国土交通省のホームページに詳細が記載されていますが、簡単に説明すると建設業における週休二日の確保や、長時間労働の是正など長期間建設業界で問題となっていた事項を解決するために策定されたものです。

長時間労働の是正

建設現場では土日出勤や残業など、過酷なスケジュールで工事を行うのが当たり前となっていました。これは民間だけでなく公共工事でも同じような状態でしたので、国土交通省としては大きな問題として考えています。

このような状態を是正するために、国は適切な工期設定や週休二日に必要な経費を計上できるよう適切な労務費の管理などを求めています。

長時間労働で仕事をすると心身ともに疲労がたまって労働災害やうつ病にも繋がるため、改善が求められています。

給与の適正化

工事現場で工事をするには、時に特殊な技能が必要とされますが、技能が適切に評価され、それに見合った給料が支給されているわけではありませんでした。

そのため、国土交通省は「建設キャリアアップシステム」と呼ばれる、技能者の資格や職歴等を業界全体で登録できるシステムの確立を目指しています。ただし、「建設キャリアアップシステム」はどちらかというと建築士や施工管理技士などの建設技術者ではなく建設現場を担う技能労働者の処遇改善や技能研鑽を促すための仕組みですが、同様のことは建設技術者にも言えるでしょう。

建設生産システムの生産性向上

建設現場では多くの書類が紙ベースで作成されているため、いまだにアナログな仕事が多く、施工管理技士に負担を強いている状況です。特に工事前に作成する書類は単にスケジュールだけでなく、施工台帳の作成などがあり負担は大きいです。また、実際の施工管理でも直接現場に赴いて確認する事が多く、無駄な出張や常駐を強いています。

このような書類制作の負担や現場施工管理の負担を減らすべく、IoT技術の導入などが検討されています。特に公共工事では書類の基準などを改定して、負担を減らすことを目標としています。

施工管理人材の採用は当社の人材紹介サービスにお任せ下さい

冒頭でも書いたように、1級の施工管理技士は企業の規模・業態によらずどこでも不足していますので、基本的には売り手市場です。しかし、経験数や扱ったことのある現場の規模や建造物の種類などのミスマッチによってなかなか採用まで至らないというお悩みをお持ちの企業も多いです。

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