2023年3月の建設業界の最新雇用関連データ
(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数
建設業の就業者数は485万人(前年同月比98.6%)、雇用者数は397万人(同98.0%)と、ともに6カ月ぶりに前年同月を下回りました。
<建設業の就業者数と雇用者数の推移>
公共職業安定所(ハローワーク)における建設業の新規求人数は75,891人(前年同月比93.1%)と再び減少に転じました。
<建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)>
(2)建築・土木・測量技術者(建設技術者)の雇用動向
ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は6.55倍(前年同月比0.08ポイント上昇)となり23カ月連続で前年同月を上回りました。
労働需給の先行指標となる新規求人倍率は9.26倍(前年同月より0.34ポイント低下)と、再び低下に転じました。
有効求人数は前年同月比99.0%となり3カ月連続で前年同月を僅かながら下回りました。新規求人数も同98.2%と低下に転じました。今後は人材需給がやや沈静化することが推測されます。
充足率は前年同月より0.09ポイント低下して3.45%となりました。ハローワークで建設技術者を採用することは依然として困難な状況が続いています。
<建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>
(3)建設・採掘の職業(建設技能工)の雇用動向
ハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は5.66倍(前年同月比0.45ポイント上昇)となり、12カ月連続で上昇しました。
労働需給の先行指標となる新規求人倍率は7.76倍(前年同月比0.52ポイント上昇)となり、10カ月連続で上昇しました。今後も、建設技能工の人材需給が更にひっ迫することが推測されます。
有効求人数は前年同月比97.1%となり、6カ月連続で前年同月を下回りました。新規求人数も同94.9%と低下に転じており、建設技技能工への需要も沈静化の方向にあるのではないかと思われます。
有効求職者数は前年同月比89.2%、新規求職者数は同88.6%であり、依然として建設技能工の求職者は減少傾向が続いており、有効求人倍率上昇の大きな要因となっています。
充足率は前年同月より0.51ポイント上昇して5.59%となり、やや回復傾向となりました。
<建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>
<用語解説>
- 有効求人倍率: 有効求人数/有効求職者数(倍)
- 新規求人倍率: 新規求人数/新規求職者数 (倍)
※「新規求人」とは、その月に受け付けた求人をいい、前月から未充足のまま繰り越された求人と新規求人との合計を「有効求人」という。
- 充足率: (就職件数/新規求人数)× 100 (%)