【2022年4月】建設業界 人材市場動向月次レポート

2022年2月の建設業界の最新雇用関連データ

(1)建設業の就業者数・雇用者数・新規求人数

建設業の就業者数は500万人(前年同月比101.8%)、雇用者数は411万人(同102.0%)で、ともに10カ月ぶりに前年同月を上回りました。

<建設業の就業者数と雇用者数の推移>HR_202204m_005出典:総務省「労働力調査」より作成

公共職業安定所(ハローワーク)における建設業の新規求人数は71,694人(前年同月比101.2%)と15カ月連続で前年同月を上回りました。建設業における豊富な人材需要は続いています。

<建設業の新規求人数の推移(新規学卒者とパートを除く)>HR_202204m_006出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

(2)建設技術職の雇用動向

ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は10カ月連続で前年同月を上回り6.67倍(前年同月より0.32ポイント上昇)になりました。
労働需給の先行指標となる新規求人倍率は14カ月連続で前年同月を上回り、10.12倍(前年同月より0.29ポイント上昇)となりました。
有効求人数は前年同月比106.2%となり14カ月連続で前年同月を上回りました。新規求人数も同103.2%と同じく14カ月連続で前年同月を上回っており、建設技術者の需要は増加傾向が続いています。
充足率は前年同月より0.18ポイント低下して2.93%となり、ハローワークで建設技術者を採用することは困難な状況が続いています。 
*充足率=(就職件数/新規求人数)×100(%)

<建築・土木・測量技術者の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>HR_202204m_007出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

(3)建設技能工の雇用動向

ハローワークにおける建設・採掘の職業(常用・除くパート)の有効求人倍率は前年同月より0.18ポイント低下して5.40倍となりました。2カ月連続の低下です。
労働需給の先行指標となる新規求人倍率は上昇に転じて前年同月を0.33ポイント上回る8.09倍となり、人材需給は再び逼迫してくることが推測されます。
有効求人数は前年同月比102.7%となり、18カ月連続で前年同月を上回りました。新規求人数も同100.2%と18カ月連続で前年同月を上回っており、建設技能工への求人意欲は上昇傾向が続いています。
新規求職者数は前年同月比96.2%となり4カ月ぶりに前年同月を下回りました。
充足率は前年同月より1.07ポイント低下して4.77%となり、ハローワークで建設技能工を採用することは困難な状況が続いています

<建設・採掘の職業の雇用関連指標の推移(常用・除くパート)>HR_202204m_008出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

2022年2月の雇用関連データのまとめ

*労働力調査のデータは2015年から2021年までの数値について、ベンチマーク人口を2020年国勢調査基準(新基準)に切り替えたことに伴い過去に遡って書き換えられています。

(1)主要な雇用環境指標の推移

就業者数は前年同期比で5カ月連続減少

就業者数は6,658万人(前年同月比35万人減)と5カ月連続で前年同月を下回りました。雇用者数は6,005万人(同22万人減)と2カ月連続で減少しました。就業率は60.2%(同0.1ポイント上昇)となり3カ月連続で前年同月を上回りました。

完全失業者数は前年同期比で7カ月連続減少

完全失業率(季節調整値)は前月より0.1ポイント低下して2.7%、完全失業者数は8カ月連続で前年同月を下回り180万人(前年同月よりも15万人減少)となりました。

【主要雇用環境指標の推移】HR_202204m_009出典:総務省統計局「労働力調査」より作成

就業者数の増加率が最も高いのは情報通信業の3.3%増

産業別に就業者数を見ると、最も増加率が高いのは情報通信業の前年同月比3.3%増であり、次いで宿泊業、飲食サービス業の同2.8%増となっています。一方、最も減少率が高いのは金融業・保険業であり同6.7%減、次いで教育・学習支援業の同5.6%減となっています。

【主要産業別の就業者数・雇用者数】HR_202204m_0010出典:総務省統計局「労働力調査」より作成

正規の従業員数が2カ月連続で減少

雇用者数を正規、非正規別に見ると、正規の職員・従業員数は3,577万人(前年同月比12万人減)となり2カ月連続で減少しました。一方、非正規の職員・従業員数は前年同月よりも10万人増加して2,073万人となりました。

【雇用形態別雇用者数の推移】HR_202204m_0011出典:総務省統計局「労働力調査」より作成

完全失業率が最も改善したのは15歳~24歳の男性

男女別に完全失業率を見ると、男性、女性ともに前月と同じでした。年齢層別で最も改善したのは15歳から24歳の男性で前月よりも1.5ポイント低下して3.9%になっています。一方、最も悪化したのは25歳から34歳の男性で前月よりも0.6ポイント上昇して4.1%になっています。

【年齢階級別・男女別完全失業者数・完全失業率】HR_202204m_0012出典:総務省統計局「労働力調査」より作成

勤め先や事業の都合による離職が7カ月連続で減少

完全失業者数を求職理由別に見ると、勤め先や事業の都合による離職が前年同月比4万人減の35万人と7カ月連続で減少しました。新たに求職も同11万人減少して45万人となりました。一方、自発的な離職者は前年同月よりも2万人増加して70万人となっています。

【求職理由別完全失業者数の推移】HR_202204m_0013出典:総務省統計局「労働力調査」より作成

(2)全体の有効求人倍率・新規求人倍率・正社員求人倍率の推移

有効求人倍率は前月より0.01ポイント上昇して1.21倍

ハローワークにおける有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.01ポイント上昇して1.21倍となりました。労働需給の先行指標である新規求人倍率は前月より0.05ポイント上昇して2.21倍になりました。正社員の有効求人倍率は前月より0.02ポイント上昇して0.93倍となりました。

【ハローワークにおける有効求人倍率(パートタイムを含む/季節調整値)の推移】HR_202204m_0014出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

(3)職業別有効求人倍率の推移

ハローワークにおける専門的・技術的職業の有効求人倍率は前年同月を0.12ポイント上回って1.89倍となり、8カ月連続で上昇しました。
有効求人倍率が最も上昇したのは前月に続いて生産工程の職業で前年同月を0.60ポイント上回って2.00倍となりました。11カ月連続の上昇となります。次いで建設・土木・測量技術者が同0.32ポイント上回って6.67倍となりました。
最も有効求人倍率が高いのは建築・土木・測量技術者の6.67倍、次いで建設・採掘の職業の5.40倍となっており、建設業関連専門職の人手不足が深刻な状況が続いています

【ハローワークにおける職業別有効求人倍率(パート除く)の推移】HR_202204m_0015出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」より作成

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