お待たせしました。大人気漫画エッセイ『人はなぜ日本武道館をめざすのか』は、いよいよ音楽業界の中の方たちに日本武道館の魅力を直撃していきます!! さて、第9回ゲストは……?(編集部)
記事初出:『建設の匠』2019年10月31日
こんにちは! 日本武道館の設計者の孫として、建物についての長年の個人的な疑問を追い、いろいろな方に協力を得ながら連載している漫画エッセイ『人はなぜ日本武道館をめざすのか』。今回はそろそろラストが見えてきた、第9話です。
8話までを通じて、日本武道館にこめられた設計者の意図や思い、建物の真髄である武道の起源と精神、立地の歴史などを探ってきました。その中で、「日本武道館が二大殿堂と言われる“武道”と“音楽”は、もともと親しいものだったのでは?」という気づきを得ました。
今回を含め3回連続で(10話完結の予定が、ご好評につき1回増えました)、実際に日本武道館を目指し演じた音楽業界の方々に、建物の感想を聞いていきたいと思っています。
その第1回目に登場いただいたのは、日本武道館と音楽業界とのつながりをどう説明したらよいかを最初に相談した大学時代の先輩で、現ソニー・ミュージックレーベルズの音楽プロデューサー岡田 宣さんです。
岡田さんは、私が所属していたモダンJAZZ研究会の部長だった方で、大学で当時から部をテキパキと仕切る切れ者。かつ後輩の面倒見もたいへんよく、とても気さくな方でした。
私もピアノを買う相談を持ちかけてみたところ、わざわざお店まで一緒に来て、変な楽器を掴まされないよう目を光らせてくださったり……お世話になったエピソードは枚挙にいとまがありません。卒業してずいぶん経ってから、紅白にも出場した大ヒットグループが実は岡田さんプロデュースと知ったときも、私たち仲間の感想は「仕事ができる人は学生の時からぜんぜん違うもんなんだね~」。岡田さんのその後の大活躍に一同、深く納得したのでした。
そんな岡田さんに卒業して25年ぶりぐらいにお会いし、今回のご協力を図々しくお願いしてみたところ、超多忙な中でも漫画のような感じで学生時代と変わらずとても気さくに、手早くいろいろと教えてくれたのでした。しかもさくさく語られたお話がとても興味深い! 実はアーティストさんをどなたか紹介してもらおうと目論んでいたのですが、「まずは岡田さんのその話、ください!」と、編集部にもお願いして1話分増となった次第です。
岡田さんはさすがたくさんの会場を把握されているだけあり、漫画に描いた以外にも他会場との具体的な比較など、興味深い話がいろいろ出てきてワクワクしました。ただ、他会場のことまで調べていると、ずるずる時間が経ってしまいそうだったので、今回は会場の形状、人の見え方、音の広がりについて絞って漫画に描きました。
お話しで印象的だったのは、「観客との一体感が気持ちいいってことですか?」との質問に対し、岡田さんはあくまで主観だとしながらも「演者本人が演奏していて気持ちいい、っていうのが大きいんじゃないのかな」とおっしゃっていたこと。アーティストの各地での様子をそばでご覧になっての感想なので、やはり日本武道館の高揚感は、何か特別なものがあるのでしょう。
そして、実際に演じた感想をインタビューさせてくれる方を探してくださるとのこと! 日本武道館の舞台を踏んだ人といえば、みなさんもれなく大物……。本当に受けてくださる方がいるのかわからず、岡田大明神の神通力にひたすらお祈りする日々でした。
そして現在! 素敵な若手アーティストと大ベテランのアーティストのインタビューを予定するところまで漕ぎつけております。乞うご期待!!
そんなわけで、あと2回と思いますが、ぜひ連載のクライマックスを見届けてやってください!
岡田さん、今回も本当にお世話になりありがとうございました。いいインタビューをさせていただけるように頑張ります!
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ではまた次回、お会いしましょう!