2019年7月30日、ヒューマンタッチ総研(現・建設HR)主催にて、「建設業界のためのICTを活用した生産性向上セミナー」を東京・新宿区のAP西新宿で開催しました。
先着100名様のところ、予想を超える反響から、200名様を超える参加申込みをいただき、キャンセル待ちということでお席の用意ができず、残念ながらご参加いただけない方々も多くいらっしゃいました。
今回のセミナーはメインテーマとして「建設業界を魅力ある業界へ ICTを活用した生産性向上」を挙げています。
深刻な人材不足となっている建設業界の状況を改善するためには、ICTを活用した生産性向上が必須であり、どのような製品やサービスを利用すると、より生産性が上がるのかという情報提供の場として企画しました。
セミナーの全講演を受講された希望者には、CPDS認定4ユニットを付与いたしました。
セミナーの構成は、建設業界の生産性向上の取組や展望についてお伝えする基調講演と、深刻な人材不足の解消と生産性向上に関するソリューションを提供する企業各社による講演の2本立てでお届けしました。
開催レポート
開会に先立ち、主催者を代表してヒューマンタッチ総研 シニアコンサルタントの高橋良久よりヒューマンタッチ総研の紹介と、ヒューマンタッチ総研が独自分析した「建設技術者2025年未来予測(2018年度版)」の概要を解説しました。
ヒューマンタッチ総研 シニアコンサルタント 髙橋良久
5Gだけじゃない!最新通信技術の活用で建設現場は効率化できる
フリービット株式会社 クラウドインフラ事業部営業課 兼 企画・マーケティング課 西川聡氏より、「現場で活用できるネットワークインフラとクラウドカメラ」を講演。
建築・土木の分野で業務効率をもたらすICTを活用するための通信規格として、「Wi-Fi HaLow」「プライベートLTE」「ローカル5G」の3つを解説しました。
加えて、このような通信規格と組み合わせて、クラウドカメラの機能や構成例、活用例を紹介し、現場作業の効率化について提案しました。
フリービット株式会社 西川聡氏
「ポスト五輪」の建築・土木は技術と協働する時代へ
基調講演の1つ目として、建設ITジャーナリストで株式会社イエイリ・ラボ代表の家入龍太氏より、「ポスト五輪」の建築・土木はこう変わる~ロボット、AIによる生産性向上戦略~」の講演をいただきました。
ポスト五輪時代にますます深刻化する、少子高齢化による建築・土木業界の人手不足の影響。
そこで注目される、AIやロボットを建設業の新しい労働力として活用する戦略として、人間とともに頭脳労働はAIと、肉体労働はロボットと協働する時代がくると解説。
AIとCIMによる自動設計や、3Dプリンターやロボットによる施工の自動化、土木工事で使われる重機の無人運転など国内外の実例を基に、新時代の建設業へと変革するために必要な戦略を講演いただきました。
会場には家入氏のファンも多く来場され、ご参加者の皆さまは、和やかな中、とても興味深く公聴されていたのが印象的でした。
株式会社イエイリ・ラボ 家入龍太氏
イノベーションしますか? それともカイゼンを続けますか?
基調講演の2本目として、土木分野におけるICT全体やBIM/CIMなどの取組み第一人者である日本建設業連合会 i-CON技術TFリーダの杉浦伸哉氏より、「生産性はどこまで向上させましょうか?」の講演をいただきました。
講演冒頭から、劇的に生産性を向上させる例として、「破壊的イノベーションの台頭」について、会場に問いかける形で講演が進行しました。
その例として、日本のタクシーとUberを比較し、生産性の向上と時間軸の経過の関係を表した緑色と黄色のグラフで、生産性を向上させるアプローチ方法について解説した講演は、参加者の皆様にとても好評でした。
既成概念から脱して考え方も変えることが大切だという点に、特に大きな共感を得ていたようです。
日本建設業連合会 杉浦 伸哉氏
定着のカギは「複数人の採用」と「飲み会」!? 海外エンジニア活用事例を紹介
講演の最後を飾ったのがヒューマンリソシア株式会社 GIT事業本部 事業本部長 大西利夫氏による、「海外エンジニアの活用施策とそのポイント」でした。
この講演は、ICTを活用する際に欠かせない国内のITエンジニアの需給状況から今話題の外国人エンジニアの活用事例など、ヒューマンリソシア社で実際に行っている海外人材の活用をいただいている顧客の導入事例などを交えた講演で、 特に今話題の海外人材の活用について、エンジニアの方々の考え方や接し方等々、非常に興味深く分かり易くご講演いただきました。
この講演は、これまでのヒューマンタッチ総研のセミナーの中でも違った切り口であり、多くの皆様に好評でした。
ヒューマンリソシア株式会社 大西 利夫氏
動画や実例、データを交えての熱のこもったセミナーに、受講者はリアルな活用方法を体感し、各セミナーの終了後には個別に名刺交換をしたり質問をする姿が見られました。
※登壇者の所属、役職ならびに主催者名は、すべてセミナー開催時点のものです。