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建設業のDXとは?建設業界のDX課題や事例を元に解説

作成者: ヒューマンリソシア編集チーム|Feb 9, 2026 5:26:04 AM
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建設業界では、人手不足や高齢化、長時間労働といった構造的な課題が深刻化しています。これらの問題を解決する手段として注目されているのが、建設業のDXです。

DXとは、デジタル技術を活用して業務プロセスや働き方を抜本的に見直し、企業や業界全体の価値を高める取り組みを指します。建設業においては、図面管理や施工管理、情報共有の効率化など、現場と事務の両面で変革が重要視されている現状です。

本記事では、建設業DXの基本的な考え方を整理したうえで、業界が抱える課題や具体的なDX事例を交えながら、導入のポイントをわかりやすく解説します。


  • 【目次】
  • (1)建設DXとは何か
    (2)建設業のDXが必要な理由
    (3)建設DXによって解消される建設業の課題
    (4)建設DXが進まない理由・課題
    (5)建設DXの進め方・導入ステップ
    (6)建設DXの第一歩は何から始めるべきか
    (7)建設DXにおけるシステム選定のポイント
    (8)建設DXを支える人材と推進体制
    (9)人材派遣を活用した建設DXの進め方
    (10)国・業界による建設DX推進の動き
    (11)建設業のデジタル化で活用される技術
    (12)建設DXに関するよくある質問
    (13)まとめ 

(1)建設DXとは何か

建設DXは、デジタル技術を活用して業務の効率化や生産性向上を図るだけでなく、業界構造そのものを見直す取り組みとして位置づけられています。ここでは、建設DXの基本的な考え方と、国が進めている主な施策の概要を整理します。

建設DXとは

建設DXとは、ICTやAI、クラウドなどのデジタル技術を活用し、建設業の業務プロセスや働き方を変革する取り組みを指します。設計・施工・維持管理といった各工程で発生する情報をデータとして一元管理し、業務の効率化や品質向上につなげる点が特徴です。紙や口頭に依存してきた従来の業務から脱却し、データを軸にした判断や連携を実現することが、建設DXの本質といえます。

 

業務効率化が図れるので、人材不足や生産性向上の方法として注目されています。また、クラウド技術により、社内からだけでなく、外出先でもデータが確認できるといった点も注目されているポイントです。

国の取り組み

国は建設業界全体の生産性向上を目的に、DX推進に向けた方針を打ち出しています。ここでは、代表的な取り組みの概要を簡潔に紹介します。

i-construction2.0

i-Construction 2.0は、建設現場の生産性向上を目的とした国の施策です。ICT技術の活用を前提とし、調査・設計から施工、維持管理までの各工程でデータ活用を進める考え方が示されています。建設DXを推進するための基盤づくりとして位置づけられています。

BIM/CIM原則適用

BIM/CIM原則適用は、建設事業において3次元モデルの活用を基本とする方針です。設計や施工に関する情報を3次元データで共有して、関係者間の認識差を減らし、業務の効率化を図る狙いがあります。建設DXを進めるうえで重要なデジタル基盤の一つです。

  

(2)建設業のDXが必要な理由

建設業界では、社会インフラを支える重要な役割を担う一方で、長年にわたり構造的な課題を抱えてきました。従来のやり方を維持したままでは、将来的な担い手不足や品質低下につながるおそれがあります。

こうした状況を打開する手段として、建設業のDXが強く求められています。ここでは、DXが必要とされる背景として、建設業界の現状を整理していきましょう。

建設業界の現状

建設業界では、現在さまざまな課題が発生しています。そのなかでも、人手不足や働き方改革などの課題の解決は、急務となっているのが現状です。建設業界の現状で、課題となっている点について詳しく解説します。

人手不足

建設業界では就業者数の減少と高齢化が進んでおり、慢性的な人手不足が課題となっています。とくに若年層の入職が伸び悩み、技能やノウハウの継承が難しくなっています。
限られた人員で現場を維持するためには、業務効率を高める取り組みが不可欠です。そのためにも、建設業界では業務効率化が図れるDXの導入が推進されています。

働き方改革

長時間労働や休日の少なさといった働き方の問題も、建設業界の大きな課題です。労働環境の改善が進まなければ、人材の確保や定着は期待できません。
業務のデジタル化により、作業の見える化や業務負荷の軽減を図ることが求められています。デジタル化が実現されれば、リモートワークといった働き方も実現しやすいため、離職率の低下にもつながるでしょう。

低い生産性

建設業は他産業と比較して、生産性の伸びが緩やかであると指摘されています。紙書類や属人的な管理が残っていることが、非効率の要因となっています。
データを活用した業務改善を進めることが、生産性向上のきっかけとなるでしょう。そのためにも、建設業界でDXを導入し、紙媒体での業務管理を緩和していく必要があります。

 

(3)建設DXによって解消される建設業の課題

建設業界が抱える人手不足や生産性の低迷といった課題は、従来の業務手法だけでは解決が難しくなっています。こうした課題に対し、建設DXは有効な解決策としておすすめです。
デジタル技術を活用すれば、現場と管理の両面に変化をもたらし、業界全体の底上げにつながります。ここでは、建設DXによって解消が期待される主な課題を整理します。

生産性向上と業務効率化

建設DXにより、設計・施工・管理に関する情報をデータとして一元管理できるようになります。これにより、二重入力や手戻りが減少し、業務全体の効率化が推進できるでしょう。
限られた人員でも業務を回せる体制を構築しやすくなり、生産性向上につながります。データとして残せるため、後から確認することも容易です。

安全性の確保と品質向上

デジタル技術の活用により、作業状況や進捗を正確に把握しやすくなります。情報の可視化が進めば、リスクの早期発見や対応が可能となり、安全性の確保につながるでしょう。
あわせて、作業手順や品質基準をデータで管理することで、品質のばらつきを抑えやすくなります。品質が確保できれば、会社としての信頼性が高くなり、評価向上にもつながるでしょう。

働き方改革の推進

建設DXは、現場作業や管理業務の負担軽減にも効果があります。書類作成や報告業務のデジタル化により、作業時間の短縮が可能です。
結果として、長時間労働の是正や柔軟な働き方の実現につながります。リモートワークにも対応できるため、優秀な人材の確保や離職率低下にも期待できるでしょう。

競争力強化と持続的発展

業務効率や品質が向上すれば、企業としての競争力も高まります。変化する市場環境に対応しやすくなり、安定した事業運営を続ける基盤が整えられるでしょう。
建設DXは、企業の持続的な成長を支える重要な取り組みです。導入することで、競合他社よりも競争力が高まり、優位に立てるかもしれません。

ナレッジ共有・技術継承

ベテランの経験やノウハウをデータとして蓄積・共有できる点も、建設DXの大きな特徴です。属人化しがちな知識を組織全体で活用できるようになり、技術継承の円滑化が期待されます。
人材不足が進むなかでも、安定した技術力を維持しやすくなります。引継ぎが容易になるので、一人の社員にかかる負担も軽減できるでしょう。

 

(4)建設DXが進まない理由・課題

建設業界ではDXの必要性が広く認識されている一方で、現場レベルでは思うように進んでいないケースも少なくありません。ツールを導入したものの活用が定着しなかったり、効果を実感できなかったりするなどが、DX推進の壁となっています。ここでは、建設DXが進まない主な理由や課題を整理します。

現場でDXが定着しない理由

建設現場では、これまでのやり方が長年続いてきたため、新しい仕組みに対する抵抗感が生まれやすい傾向があります。操作が難しいツールや、現場業務に合わないシステムは負担となり、利用が形骸化しがちです。

現場目線を欠いたDXは、定着しにくい要因となります。そのため、定期的に研修や教育などをおこない、学習環境を整える必要があるでしょう。

投資対効果(ROI)が見えにくい課題

DXは中長期的な効果が期待される一方、導入直後に成果が数値として表れにくい場合があります。初期投資や運用コストに対し、どの程度の効果が得られるのかを判断しづらい点が、意思決定を難しくしています。
結果として、導入に踏み切れない企業も少なくありません。導入前に、具体的な成果を予測しておき、目標に向けてDXを活用することが大切です。

DX人材不足という大きな壁

建設業界では、ITやデータ活用に精通した人材が不足しています。現場とデジタルの両方を理解できる人材が少ないため、DXを推進する体制を構築しにくい状況です。
外部に依存しすぎると、ノウハウが社内に蓄積されにくい点も課題です。そのため、社内で研修や教育環境を整えるなどの対策が求められるでしょう。

部分最適に陥りやすい建設DXの落とし穴

建設DXは、特定の業務や工程だけをデジタル化しても十分な効果を発揮しません。部門ごとに個別最適が進むと、かえって業務が複雑化する場合があります。全体を見据えた設計と、段階的な取り組みが求められるでしょう。

 

(5)建設DXの進め方・導入ステップ

建設DXを成功させるためには、デジタルツールを導入するだけでは不十分です。目的や課題を明確にし、段階的に取り組めば、現場に定着しやすいDXを実現できます。
ここでは、建設DXを進めるうえで押さえておきたい基本的な導入ステップを整理します。

STEP1|DX推進の目的・ビジョンを明確にする

まずは、なぜDXに取り組むのかを明確にします。生産性向上や働き方改革など、自社が目指す姿を整理することで、DXの方向性が定まりやすいです。目的が共有されていないと、取り組みが形骸化しやすくなります。

STEP2|自社業務・現場課題を整理する

次に、現在の業務プロセスや現場の課題を洗い出します。どの工程に無駄や属人化があるのかを把握すれば、DXで解決すべきポイントが見えてきます。現場の声を反映させ、業務効率化を図る意識が大切です。

STEP3|DX戦略・ロードマップを策定する

課題を踏まえたうえで、DX戦略とロードマップを策定します。短期・中期・長期の視点で段階的に進める計画を立てれば、無理のない導入が可能です。優先順位の整理も欠かせません。

STEP4|デジタル技術・施策を選定する

戦略に基づき、自社に適したデジタル技術や施策を選定します。目的に合わないツールを導入すると、現場の負担が増えるおそれがあるでしょう。使いやすさや拡張性も考慮する必要があります。

STEP5|現場への導入・定着を進める

ツール導入後は、現場での定着を意識した取り組みが求められます。操作説明やサポート体制を整え、継続的に活用できる環境を構築しましょう。現場の理解と協力が、DX成功の鍵となります。

STEP6|効果検証と継続的な改善を行う

最後に、DXの効果を定期的に検証します。成果や課題を可視化し、必要に応じて改善を重ねることで、DXの価値を高められるでしょう。建設DXは一度きりではなく、継続的に進める取り組みです。。

(6)建設DXの第一歩は何から始めるべきか

建設DXに取り組みたいと考えても、「何から始めればよいのかわからない」と悩む企業は少なくありません。高度な技術導入よりも、まずは業務の土台を整えることが重要です。

ここでは、建設DXの第一歩として取り組むべきポイントを整理します。

なぜ基盤整備(クラウド・ワークフロー)が重要なのか

建設DXを進めるうえでは、情報を集約・共有できる基盤が欠かせません。クラウドやワークフローを整備すれば、場所や時間にとらわれずに情報へアクセスできるようになります。基盤が整っていない状態で個別ツールを導入すると、業務が分断されやすくなるので注意が必要です。


ペーパーレス化・情報一元管理の効果

紙書類をデジタル化し、情報を一元管理すれば、検索性や共有性が向上します。書類の紛失や確認漏れを防ぎやすくなり、業務のスピードアップが期待できるでしょう。
現場と事務所間の情報連携も円滑になります。また、離れた場所からもデータが確認できるので、現場から直接図面を見るといった対応も可能です。


スモールスタートでDXを成功させる考え方

最初から大規模なDXを目指す必要はありません。特定の業務や部門から小さく始め、効果を確認しながら範囲を広げることが重要です。成功体験を積み重ねれば、社内の理解と協力を得やすくなります。まずは、小規模から始め、徐々に社内全体に浸透させていくのがおすすめです。

 

(7)建設DXにおけるシステム選定のポイント

建設DXを推進するうえで、どのシステムを選ぶかは成果を左右する重要な要素です。機能が豊富であっても、自社や現場に合っていなければ定着は期待できません。ここでは、建設DXにおけるシステム選定時に押さえておきたいポイントを整理します。

現場で使いやすい操作性・ユーザビリティ

建設現場では、ITに不慣れな人が利用するケースも少なくありません。直感的に操作できる画面設計や、学習コストの低さは重要な判断基準です。
そのため、使いにくいシステムは、結果として現場の負担を増やしてしまいます。初心者でも使いやすいシステムを積極的に導入していきましょう。

企業規模・業務内容との適合性

システムは、企業の規模や業務内容に適しているかを確認する必要があります。大規模向けの仕組みを中小企業が導入すると、機能を持て余すこともあるでしょう。そのため、自社の業務フローに合致しているかを見極め、必要な機能だけが搭載されているシステムを利用するのがおすすめです。

コストと費用対効果(ROI)の考え方

初期費用や月額費用だけでなく、導入後に得られる効果も含めて評価することが大切です。業務時間の削減やミス防止など、定量化できる効果を想定し、費用対効果を検討します。短期的なコストだけに目を向けず、導入後のイメージを明確にしていきましょう。

サポート体制・将来の拡張性

導入後のサポート体制が整っているかも重要なポイントです。トラブル対応や操作支援が受けられるかを確認しておく必要があります。また、将来的な業務拡大や他システムとの連携に対応できる拡張性も考慮すべき要素です。

(8)建設DXを支える人材と推進体制


建設DXを成功させるためには、システムやツールだけでなく、それを活用・推進する人材と体制づくりが欠かせません。どれだけ優れた仕組みを導入しても、使いこなす人がいなければ効果は限定的です。
ここでは、建設DXを支える人材の考え方と、推進体制の整え方について解説します。

建設DXに必要な人材・スキルとは

建設DXには、ITスキルだけでなく、建設業務への理解も求められます。現場の課題を把握し、デジタル技術でどう改善できるかを考えられる人材が重要です。
また、部門間の調整や変革を推進するためのコミュニケーション力も欠かせません。建設DXを導入するなら、現場との情報共有ができる人材が必要になるでしょう。


社内でのDX人材育成の進め方

DX人材は、必ずしも外部から採用する必要はありません。現場経験のある社員を中心に、段階的にIT知識を身につけさせる方法も有効です。研修やOJTを通じて、業務とデジタルの両方を理解する人材を育成することが、継続的なDX推進につながります。学習環境を整え、DX人材を育成していきましょう。


外部パートナー・専門家を活用する方法

社内だけでDXを進めることが難しい場合は、外部パートナーや専門家の力を借りる選択肢もあります。システム導入や戦略策定を支援してもらうことで、推進スピードを高められるでしょう。
また、ノウハウを社内に蓄積できる体制を整えることも重要です。予算はかかりますが、状況に応じて外部の力を頼っていきましょう。

 

(9)人材派遣を活用した建設DXの進め方


建設DXを進めたいものの、DX人材の確保が難しいと感じている企業は少なくありません。こうした状況において有効な選択肢となるのが、人材派遣を活用したDX推進です。
外部の専門人材を取り入れれば、スピーディーかつ現実的にDXへ着手できます。

まずは外部人材でDX推進をスタートする

DXに必要な知識や経験を持つ人材を、派遣という形で活用すれば、社内にノウハウがなくてもDXを始められます。初期段階で、課題整理や仕組みづくりを外部人材が担うことで、社内の負担を抑えながら推進できるでしょう。
DXの知識を持っている人材の講習や研修を受けるのも、ひとつの手段としておすすめです。

現場定着後に内製化・育成へ移行する

DX施策が現場に定着してきた段階で、社内人材への引き継ぎを進めます。外部人材の支援を受けながら、社員が運用や改善を担える体制を整えれば、持続的なDXが可能です。
うまく移行させるためにも、内製化と人材育成を並行して進めるのが、ポイントになります。

人材と技術をセットで考えるDX推進モデル

建設DXでは、システム導入と人材確保を別々に考えがちですが、両者をセットで検討することが重要です。適切な人材が技術を活用すれば、DXの効果は最大化されます。人材派遣を活用したモデルは、現実的かつ柔軟なDX推進手法といえるでしょう。当社では、近年需要が高まっているITエンジニアの派遣をおこなっています。AIからシステム周りまで、さまざまなスキルを持った人材がいるため、一度、ご相談いただければと思います。

 

(10)国・業界による建設DX推進の動き

 



建設DXは企業レベルの取り組みにとどまらず、国や業界団体による政策・標準化の動きと連動して進んでいます。労働力人口の減少やインフラの老朽化など社会的課題に対応するため、政府は戦略的な施策を打ち出し、業界全体のデジタル化を後押ししているのが現状です。ここでは、その代表的な動きを整理します。

BIM/CIM原則適用が進む背景

建設DXの基盤としてBIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling)への関心と活用が高まっています。これらは設計・施工・維持管理の各段階で3次元データを共通化する仕組みで、関係者間の情報共有や生産性向上を図るうえで重要です。
国土交通省は公共工事を中心にBIM/CIMの原則適用を進め、データ駆動型の業務プロセスを構築する方向性を示しています。この流れは建設DXの標準化と業務全体のデジタル化を促進する背景となっています。

2024年問題・2025年の崖と建設DX

建設業界のDX推進は、日本全体が直面するデジタル転換の潮流とも連動しています。経済産業省が示す「2025年の崖」では、国内企業がレガシーシステムから脱却できない場合、デジタル競争力の低下や大規模な経済損失リスクが指摘されているようです。
こうした危機感は建設業界にも当てはまり、既存の業務プロセスや情報管理の刷新が急務とされています。

国土交通省・業界団体の最新施策

国土交通省は、従来の「i-Construction」施策を進化させた「i-Construction 2.0」を策定し、建設現場のオートメーション化やデータ連携の高度化などを推進しています。これは2040年度までに省人化を30%以上、かつ生産性1.5倍向上を目指す長期ビジョンに基づくもので、デジタル技術の利活用を建設現場の標準へと高めるのが狙いです。
また、業界団体でもBIM/CIMの標準化や導入支援に向けた取り組みが進み、企業間の連携や技術普及へ向けた活動が活発になっています。こうした政策・業界レベルの動きが、建設DXの環境整備や普及を後押ししています。

 

(11)建設業のデジタル化で活用される技術


建設DXを支えているのは、さまざまなデジタル技術です。これらの技術は単体で使われるだけでなく、組み合わせることで業務効率や安全性の向上につながります。
ここでは、建設業のデジタル化において代表的に活用されている技術を整理します。

BIM/CIM

BIM/CIMは、建物や構造物を3次元モデルで表現し、設計・施工・維持管理の情報を一元管理する技術です。関係者間で同じデータを共有できるため、認識のズレや手戻りを防ぎやすくなります。建設DXの中核となる技術のひとつです。

AI(人工知能)

AIは、画像解析やデータ分析などに活用されています。施工状況の確認や品質チェック、作業計画の最適化など、判断を支援する役割を担ってくれるでしょう。
人の経験に頼っていた業務を補完し、効率化に貢献します。人の手が必要な箇所や技術もあるため、AIに任せる業務は正しく選別しておきましょう。

クラウド

クラウドは、図面や書類、進捗情報などをオンライン上で管理・共有するための基盤です。現場と事務所、関係会社間でリアルタイムに情報を共有でき、業務のスピードと正確性が向上します。ペーパーレス化の土台としても重要です。

ICT建機

ICT建機は、GNSSやセンサーを活用し、施工の自動化や半自動化を実現する建設機械です。オペレーターの負担軽減や施工精度の向上が期待できます。人手不足対策としても注目されています。

ドローン

ドローンは、測量や進捗確認、点検作業などで活用されています。広範囲を短時間で撮影・計測できるため、作業効率が大きく向上します。人が立ち入りにくい場所の確認にも有効です。

AR/VR

AR/VRは、完成イメージの可視化や施工シミュレーションに活用されます。設計内容を直感的に理解しやすくなり、関係者間の合意形成を支援してくれるでしょう。教育や安全訓練の分野でも活用が進んでいます。

IoT

IoTは、機器や設備からデータを取得し、状態を可視化する技術です。建機の稼働状況や現場環境の把握などに利用され、効率的な管理を可能にします。データを活用した現場改善の基盤となります。

 

(12)建設DXに関するよくある質問


建設DXに関心はあるものの、実際に進めるとなると不安や疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、建設DXについてとくによく寄せられる質問を取り上げ、実務の視点からわかりやすく解説します。

中小建設会社でも建設DXは進められる?

中小建設会社でも、建設DXは十分に進められます。大規模な投資や高度な技術から始める必要はありません。ペーパーレス化や情報共有のデジタル化など、身近な業務から段階的に取り組むことが現実的です。

どの業務・領域から着手すべき?

まずは、手間や属人化が大きい業務から着手することがおすすめです。書類管理や進捗報告など、改善効果が見えやすい領域を選ぶと、DXの成果を実感しやすくなります。現場と事務の両方を見渡す視点が重要です。

現場がデジタルツールを使わない場合は?

現場で使われない原因は、操作の難しさや導入目的の共有不足にあることが多いです。現場の意見を取り入れながらツールを選定し、丁寧な説明やサポートを行うことで定着しやすくなります。無理な導入は逆効果となる可能性があるので、まずはスモールスタートから導入するのがおすすめです。
ある企業では、現場でのデジタルツール活用促進のために各現場に人材を派遣し、デジタルツールの環境整備や、使い方の説明などをおこない、デジタルツールの利用率アップにつなげる取り組みをしています。実際に現場で業務をしつつ、ツール促進をおこなうことで、現場での使い勝手などもより理解でき、効果の検証や改善につなげられるでしょう。

投資回収までの期間はどれくらい?

投資回収の期間は、導入する内容や規模によって異なります。短期間で効果が出るケースもあれば、一定期間を要する場合もあるでしょう。業務時間の削減やミス低減など、効果を継続的に測定することが大切です。

 

(13)まとめ


建設業のDXは、人手不足や働き方改革、低い生産性といった業界特有の課題を解決するために欠かせない取り組みです。BIM/CIMやクラウド、AIなどのデジタル技術を活用すれば、業務効率化や品質向上、安全性の確保が期待できます。
一方で、現場への定着や人材不足、投資対効果の見えにくさといった課題も存在します。そのため、目的を明確にしたうえでスモールスタートし、基盤整備や人材育成を並行して進めるのが重要です。
自社の状況に合った形で段階的にDXを推進すれば、持続的な成長と競争力強化につながるでしょう。


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