人手不足や長時間労働、属人化した業務など、建設業界は今、これまで以上に効率化が求められています。とくに、現場では安全管理・工程調整・資材管理などの複雑なタスクが重なり、バックオフィスでも書類作成や業者との調整が負担となりがちです。
こうした課題を放置すると、工期遅延やコスト増加、従業員の離職リスクにもつながります。この記事では、建設業の業務効率化がなぜ急務なのかを整理し、現場とバックオフィスそれぞれで効果の出やすい対策と、実際の改善事例をわかりやすく紹介していくので、参考にしてみてください。
建設業では、慢性的な人手不足や現場管理の複雑化、長時間労働といった構造的な課題が深刻化しています。とくに現場では、安全管理・工程調整・資材手配など多くの業務が同時進行し、バックオフィスでも書類業務の多さが負担となりがちです。
これらが積み重なると、工期遅延やコスト増加、働く人の離職にもつながる恐れがあります。ここでは、建設業の業務効率化が重要な理由について解説していきます。
建設現場を支える就業者数は年々減少し、加えて高齢化の進行や若年層の入職者の減少が重なり、将来的な担い手不足への懸念が高まっています。
まず過去から現在までの就業者数の推移を数字で示し、その背景にある構造的な問題として、2020年代後半から2030年代に差し掛かる「2030年問題」について解説していきます。
全体として、建設業の就業者数はピーク時から大きく減少しています。1997年(平成9年)の平均就業者数は約685万 人に達していました。
しかしその後減少傾向が続き、直近では約477万人(2024年時点)と、ピーク時の約 70%にまで落ち込んでいます。
このような就業者数の減少は、単に数字が減るだけでなく、建設現場の担い手が減って、現場の過重労働、作業遅延、採用・育成コストの増大など、さまざまな弊害につながる可能性があるでしょう。
建設業の就業問題は、高齢化も関係しています。現在、建設業に従事する人のなかには、すでに55歳以上の割合が高く、年齢構成の偏りが顕著です。
とくに、いわゆる「団塊世代」が近い将来に定年を迎え、大規模な離職者の発生が想定されています。これは人手の減少ではなく、熟練技能やノウハウを持つ世代の大量退職を意味しているため、若年層を取り入れなければ、建設業の衰退につながることが懸念されるでしょう。
こうした現象が一気に起こると、新規入職者の採用・育成が追いつかず、建設業全体の生産性や品質の維持が困難になるおそれがあります。つまり、「人数」だけではなく「技能の継承」「経験のストック」が失われるリスクがあるのです。
そのため、2030年前後に向けて、若年層や女性、高齢者など多様な人材の確保・定着、そして業務効率化や生産性向上などの抜本的対策が急務とされています。
近年、建設業界は従来の新築や開発案件に加え、社会インフラの維持管理や修繕、更新といったメンテナンス需要の拡大によって、業務量が大きく膨らんでいます。
人手不足も相まって、業務効率化を図らないと、社員一人ひとりの負担が大きくなってしまうことが懸念されています。
ここでは、まず受注量の推移から現在の建設業を取り巻く状況を把握し、続いてインフラ老朽化による維持管理・点検・修繕の増加がどのように業務量の拡大をもたらしているか解説します。
近年の統計を見ると、建設工事の受注高は再び拡大傾向にあります。たとえば、ある大手50社を対象とした調査では、2023年の建設工事受注総額が17兆2,093億円となり、前年から約4.0%の増加を記録しているようです。
このような受注高の伸びは、新築や土木といった従来の工事だけでなく、民間工事、公共工事を含めた幅広い分野で確認されています。建設業界全体における案件数の増加と、それに伴う業務量の拡大を裏づけとなるため、建設業の負担は大きくなっていることがわかるでしょう。
また、リノベーションや修繕、メンテナンス案件の増加傾向も見られ、単なる「量」の増加に留まらず、多様な種類の工事を同時に抱え、企業の業務負荷はより複雑になってきています。
日本の社会インフラの多くは高度経済成長期に整備され、その多くが築後50年を超えつつあります。たとえば、道路橋やトンネル、河川施設、下水道、港湾岸壁などについて、今後20年以内に「建設後50年以上経過」の施設の割合が加速度的に増加するとの予測が報告されています。
こうした老朽化が進むインフラに対しては、定期的な点検、補修、更新、補強といった維持管理業務が数多く必要になります。とくに橋梁やトンネルなどは、経年劣化によって安全性や機能が脅かされるおそれがあり、5年に一度の点検義務化なども進んでいます。
このように、インフラ老朽化は単に「修繕の必要性が高まる」というだけでなく、点検・診断・修繕といった一連の維持管理業務の量を大幅に押し上げ、建設業界全体の業務量を増加させる重要な要因となっています。
これまで長時間労働が常態化していた建設業界において、2024年4月からは法的な時間外労働の上限規制が適用され、「残業ありき」の働き方は大きな転換点を迎えました。
また、労働者の健康やワークライフバランスを重視する観点から、休日取得や休暇制度の見直し、就業環境の改善を図る「働き方改革」が一段と進んでいます。
まず「2024年問題」と呼ばれる残業規制の中身とその影響を整理し、次に「働き方改革」が建設業にもたらす就業環境の改善について解説していきましょう。
2019年に成立した「働き方改革関連法」のうち、建設業については猶予期間が設けられていました。しかし、この猶予が終了し、2024年4月1日から建設業にも罰則付きの時間外労働の上限規制が全面適用されました。
具体的には、原則として時間外労働は「月45時間、年間360時間」が上限とされ、休日労働を含めても、特別な事情があって労使が合意した場合でも「年間720時間以内」「複数月平均80時間以内」「単月100時間未満」という制限が義務づけられています。
これらの規定を超える労働をさせた場合、企業側には刑事罰(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象となる可能性があるため注意が必要です。
建設現場ではこれまで当たり前だった深夜残業や休日出勤にも見直しが迫られ、工期や作業体制の再設計が求められます。
時間外労働の上限規制が課せられ、建設業界全体において休日や休暇の確保、働きやすさの向上をめざす取り組みが広がっています。たとえば、法改正によって、年休が10日以上付与される労働者には、そのうち5日分を会社が時季を指定して取得させることが義務となりました。
これは有給休暇の取得促進と労働者の健康確保を目的とした制度となっています。
また、休日の確保を目指し、週休2日制の導入を進める建設企業も増えているようです。法的義務ではないものの、公共工事を中心に週休2日工事の契約を拡大する動きがみられます。
これにより、従来の過重労働モデルに代わる、より持続可能で働きやすい体制づくりが進みつつあるのが現状です。
建設業では、人手不足や業務量増加などの課題があがっています。とくに、従業員の高齢化が進み、問題となっているのが現状です。
そこで注目されているのが、デジタル技術の活用や業務フローの標準化、情報共有体制の強化といった「業務効率化」の取り組みになります。
ここでは、現場とバックオフィスの双方で実践できる具体的な改善策を紹介し、建設業が直面する課題をどのように乗り越えるかを解説します。
建設業で業務効率化を進める際に重要なのは、「闇雲に改善策を導入しないこと」です。まず現状を正しく把握し、小さく試しながら最適な手段を検討し、改善を積み重ねていき初めて成果が定着します。
また、建設業特有の多様な業務領域に対応するためには、単一の手段に頼らず複数の施策を組み合わせることも欠かせません。ここでは、効率化を成功させるための5つのポイントを整理して解説します。
業務効率化の出発点は、現在の業務フローの「見える化」です。現場・営業・施工管理・バックオフィスなど、各業務がどのようにつながっているかを整理すれば、ムリ・ムダ・ムラの発生ポイントが明確になります。
担当者へのヒアリングをおこなうと、表面だけでは見えない非効率の原因もつかめ、改善の優先順位づけにも役立つでしょう。
効率化の取り組みは、一度に大きく変えようとすると現場の負担が増え、定着しにくくなります。まずは一部の工程や部署だけで始める、作業の一部のみを改善するといった「スモールステップ」での導入が効果的です。
小さな成功体験を積めば社内の理解も得やすくなり、次の取り組みへスムーズに広げられます。
課題が明確になったら、改善に向けた手段を選定します。建設業では、ICTツール、RPA、クラウド管理システム、デジタル図面など多くの選択肢がありますが、重要なのは「課題に合致しているか」「自社の現場で使いやすいか」です。
そのため、いきなり本格導入するのではなく、まずは少人数・短期間でのトライアルを行い、効果や操作性を確認することが成功につながります。
導入した施策は実施して終わりではなく、効果検証を行いながら改善していくことが不可欠です。作業時間の削減量、工期短縮の有無、ミスの減少など、目標に対して成果が出ているかを評価し、改善点を見直します。
PDCAを継続して回していくことで、業務効率化が一過性の取り組みではなく、組織の文化として定着し、より高い生産性が実現できるでしょう。
建設業の業務は工程管理、書類作成、現場連携、安全管理など幅広いため、ひとつの施策だけでは課題を解決しきれません。たとえば、現場の情報共有にはクラウドアプリ、書類の自動化にはRPA、工程管理には専用システム、といったように複数の手段を組み合わせることで、大きな相乗効果が生まれます。
現場とバックオフィスの双方が効率化されることで、全体最適な生産性向上が実現できるでしょう。
建設現場の業務効率化を図るためにも、工期短縮、安全性確保、人手不足対応などの課題に着目して、改善を促す必要があります。従来型の紙や図面、口頭中心の管理では、情報のずれや伝達ミス、確認漏れが起こりやすく、手戻りや無駄が生じがちです。
そこで、デジタル技術や新たな施工管理手法を積極的に取り入れる「現場管理の効率化」が不可欠です。ここでは、最近実践されて成果が報告されている代表的な取り組みを紹介します。
BIM/CIMは、設計から施工、維持管理まで含めた建設プロジェクト全体を3次元デジタルモデルで管理する仕組みで、関係者間の情報共有や工程の可視化を強力にサポートします。たとえば、ある企業ではBIM/CIMを導入し、設計・施工の各段階で情報を一元管理し、手戻りや調整作業を削減しました。
結果として従来型の設計図管理や部分ごとのレビューに比べ、作業時間の短縮や品質確保、コミュニケーションコストの削減につながった報告があります。
こうした BIM/CIM による管理は、発注者・設計者・施工者の間で情報の齟齬を減らし、全体の生産性と安全性、品質を同時に高める基盤となっています。
近年では、現場で発生するデータをリアルタイムで収集・分析するために、IoTセンサーやAIを導入する試みも増えています。たとえば、3D 点群認識技術と現場の 360 度カメラ画像を組み合わせ、BIM データと照合して施工進捗の判定を自動化する実証実験が報告されているようです。
これにより、従来人手でおこなっていた進捗管理の作業負担を軽減し、進捗の見える化が進みました。こうした技術によって、ある作業が完了したか、あるいは遅延しているかを早期に把握でき、スケジュール管理や資材調整、安全管理などを迅速に判断できるようになります。
また、蓄積されたデータを分析すれば、事前にリスクやボトルネックを把握し、次工程への改善にもつながるでしょう。
測量や現況確認、検査の分野でも、ドローンや3Dスキャナーの活用が進んでいます。ある研究では、ドローンによるレーザー測量(あるいは写真測量)で取得した点群データと BIM4D モデルを組み合わせ、進捗確認や出来形チェックを自動化するワークフローを構築しました。
これにより、従来必要だった人による定期的な現地確認に比べ、点検・検査の頻度を増やしつつ、人的コストを大幅に削減できました。報告によれば、人手による従来の方法では週単位でしか進捗確認できなかったのに対し、ドローン×BIM による方法では週1回以上、あるいは必要に応じて随時確認できるようになり、さらに検査対象要素の網羅率や精度も大きく向上したとされています。
このような手法は、とりわけ大規模構造物や広域インフラ、アクセスが困難な現場において有効で、現場の安全性の向上とともに、検査・記録業務の効率化に貢献しているようです。
遠隔地の現場管理や関係者との協議、住民への説明など、多様な立場の関係者が関わる建設プロジェクトでは、情報共有の遅れや認識のズレが課題となりがちです。そこで、BIM/CIMを基盤とした情報共有プラットフォームやクラウドシステムを導入し、設計データ・施工状況・検査記録などをリアルタイムで共有できるようにした事例があります。
その結果、発注者、施工者、管理者、あるいは地域住民といったステークホルダー間の合意形成や調整が迅速になりました。地形モデルや地質データ、設備・構造モデルなどを統合した三次元モデルを遠隔で共有すれば、現場に赴くことなく状況確認や説明が可能で、移動時間や回数の削減、安全性の向上にもつながります。
バックオフィスや全社横断の業務は、日々の経理・人事・総務・情報システムなど多岐にわたり、負荷が集中しやすい領域です。近年は、RPAやクラウドツール、AIを活用し、入力作業の自動化や申請・承認フローの効率化、情報共有の迅速化が進み、多くの企業で大幅な工数削減と業務品質向上を実現しています。
ここでは、実際に業務効率化を成功させた企業の事例を紹介し、どのような取り組みが成果につながったのかをわかりやすく解説していくので、参考にしてみてください。
近年、デジタル技術の進展により、生成AIやチャットボットなどのAI技術の活用が急速に広がっています。これらの技術は、人が時間を多く割きがちな定型業務や情報検索、文書作成、ナレッジ共有といったタスクを自動化または支援し、業務時間の短縮や属人的な知識依存の軽減につながるでしょう。
生成AIとチャットボットを使った具体的な導入事例を一部紹介します。
ある建設会社では、生成AIを活用して技術資料や規定、過去の報告書などをナレッジベース化し、設計書作成や技術調査、報告書作成の効率化を図るプロジェクトを進めています。これにより、技術者や管理者が膨大な資料を逐一調べる手間が削減され、報告書作成にかかる時間や労力の軽減が実現できるでしょう。
これらの取り組みは、とくに書類作成や調査・情報検索といった定型業務や知識の属人化に起因する負担を軽減してくれます。また、本来注力すべき設計・現場管理・判断業務などに人的リソースを振り向けるための効果的な手段として活用できるでしょう。
生成AIを用いたチャットボット(ナレッジ検索エージェント)は、社内の情報共有や問い合わせ対応にも大きな力を発揮します。ある企業では「建設業向けAIエージェント活用ソリューション」を導入し、公開仕様書や過去資料、自社ノウハウなどをアップロードしました。
その結果、チャットで「この規定はどこに書いてあったか」「過去の類似事例を教えて欲しい」といった問い合わせに即座に回答できるように設計されています。
経験の浅い技術者やバックオフィス担当者でも、必要な情報を素早く得られ、業務のスピードと正確性が向上するでしょう。
チャットボットの良さは、単なるFAQ対応にとどまらず、いつでも誰でも同じナレッジにアクセスできるようにすれば、暗黙知の可視化・共有を促し、属人化を防ぐ点にあります。また、問い合わせ対応にかかっていた時間が削減され、バックオフィス担当者はより高度な業務や戦略的業務に時間を振り向けやすくなるでしょう。
繁忙期といった、一時期従業員の負担が大きくかかり、労働力が必要になったときに状況を打破するために注目されているのが、外部の専門業者に事務作業を委託する「外注活用」です。
適切に使えば、業務量の変動にも柔軟に対応でき、社内リソースを効率よくコア業務に振り向けることが可能となります。ここでは、建設業における「事務作業の外注」の具体的な活用事例とその効果をご紹介します。
建設業界向けの事務代行サービスをおこなっている企業では、施工図作成、各種書類作成、請求書発行、データ入力、写真データ整理、日報整理などを代行し、依頼企業が本来取り組むべき「施工現場・管理業務」に集中できる環境を提供しています。
ある導入企業では、この外注サービスを使い、事務作業を大幅に削減でき、施工管理者や事務担当者の残業時間が減少したと報告されているようです。実際に「残業時間80時間削減」などの改善事例も確認されており、バックオフィス業務の効率化と働きやすさの向上につながっています。
これらの事例からわかるように、事務作業の外注は、とくにバックオフィスや管理部門の負担が大きい建設業において、業務効率化と生産性向上の有力な手段となるでしょう。
議事録作成の工数削減を図るために、文字起こしツールを検討・導入される企業は多いでしょう。しかし、建設業特有の専門用語が聞き取れないなど、ツールの文字起こし精度には課題が残るケースが少なくありません。さらに、ツールを使ったとしても、結局は会社指定の定型フォーマットへの転記作業が必要となり、「工数ゼロ」の実現は難しいのが現状です。
その課題を解決する方法が、議事録作成の外注です。専門の代行サービスを利用すれば、議事録作成にかかっていた担当者の時間を100%削減できます。削減した時間を現場管理やコア業務といった生産性の高い仕事に集中させることが、業務効率化の鍵となります。
特に当社の建設業に特化した議事録代行サービスなら、これらの課題を一挙に解決できます。音声や映像データを送るだけで、高品質かつ指定フォーマットで作成した議事録が完成します。(60分会議なら2,3日で納品)
サービス開始から約1年で約250件の案件をご発注いただいており、その利用のしやすさと品質でご好評をいただいております。
最近では、RPAやAI‑OCR、文字起こしツール、そしてリモートツールなどが、業務効率化の手段として注目されています。ここでは、これらツールを使った実際の成功事例を交えて、どのように業務効率化が進められているかを紹介していくので、参考にしてみてください。
多くの定型事務作業のなかでも、紙やPDFで受領する請求書・契約書・申請書などの書類処理では、文字情報のデジタル化、システムへの登録や集計を人手でおこなっている企業が多いのではないでしょうか。
ここに AI-OCR による文字認識と RPA による自動入力・転記を組み合わせれば、膨大な手入力業務をほぼ自動化できます。実際に、ある企業では請求書などの事務処理をRPA×AI-OCRによって自動化し、導入前は月約1,200枚あった請求書処理を、作業時間にして従来の 8.5 人日分から 1 人日に短縮、約 88%の工数削減を達成しました。
(人日(にんにち)…1人が1日働いた作業量を1としたもので、作業の大きさをを表す)
さらに、これにより人員を増やすことなく契約処理件数を大きく拡大することが可能となったと報告されています。
これらの取り組みは、請求書処理や資料整理といった「裏方業務」を効率化し、バックオフィスの負担を減らせるのが特徴です。そのリソースをコア業務(設計管理、現場管理、提案業務など)に振り向けるという効果を生み出しています。
実際、RPA/AI-OCR を活用した企業では、紙の帳票だけでなく、PDFや画像、会議録など多様な形式の情報をデジタル化・一元管理することで、従来の手入力・手起こしにかかる時間と工数を大幅に削減したとの報告があります。
当社はRPAの導入から運用まで一括サポートしています。導入支援社数約1,000社となっており、多くの企業様の業務効率化のサポートをしています。
「教育」+「活用支援」を重視した当社のRPAについてはこちら。
建設業においては、会議の議事録、打ち合わせ記録、点検・調査結果の記録など、さまざまな「音声記録」が発生します。従来これらを手作業で文字起こしする場合、時間と手間がかかるうえ内容が属人的になりやすいという課題が発生するケースが多いです。
ここで、音声を自動で文字起こしするツールを使えば、議事録作成や報告書の素案作成が迅速になるだけでなく、聞き取りミスや記録漏れの防止にもつながります。また、建設特有の専門用語や現場名、構造用語などをカスタム辞書に登録しておけば、誤変換を減らし、精度があげられるでしょう。
このような文字起こしツールの導入は、報告書作成や内部共有、過去の履歴の検索性向上にもつながるでしょう。
近年、リモートワークやテレワークの浸透とともに、バックオフィス業務や管理業務でも、場所を問わず作業ができる環境整備の必要性が高まっています。共有クラウドサービスや Web 会議ツール、ドキュメント共有ツールなどを活用すれば、社員がオフィスにいなくても請求書処理、契約書レビュー、報告書の確認などが可能です。
これにより、通勤時間の削減や、現場担当者と事務担当者間の情報共有のスピードアップ、さらには災害時や出張先からの業務継続も実現できます。
また、複数拠点や現場を持つ建設会社では、リモートツールによる情報共有基盤を整えれば、各現場や支店の状況をリアルタイムで把握でき、意思決定の迅速化や突発対応のスピードアップにもつながります。とくに、複数のソフトウェアやシステム、紙ベースの資料が混在しがちな建設業では、こうしたクラウド/リモート環境の整備が業務の横断的な効率化に貢献します。
さらに、先行してRPAやAI-OCRを導入している企業では、リモートによるデータ入力・処理、レポート確認・共有までを一貫しておこなう体制を構築し、ペーパーレス化と業務効率化を加速させているケースが多いです。
このように、リモートツールの活用は、バックオフィスの働き方を柔軟にし、生産性と柔軟性を両立させる現代的な手段といえます。
建設業を取り巻く人手不足や繁忙期の変動は依然厳しく、自社だけの正社員や固定人材で対応するには限界があります。こうした状況で効果的なのが、「派遣活用」です。
ここでは、派遣活用によって成果をあげた事例をもとに、「専門人材の活用」と「外国籍人材の活用」の二つの側面から、建設業での派遣活用の可能性を見ていきます。
建設プロジェクトでは、設計・施工管理・安全管理・現場調整など、専門性と経験が求められる業務が多くあります。こうした分野で、自社だけでは人材が不足している場合、外部の専門人材を派遣で確保すれば、即戦力として機能させられるでしょう。
たとえば、技術者や施工管理者などの専門人材を一定期間だけ派遣で補えば、繁忙期や大規模工事時の人材ギャップを埋め、プロジェクトを滞りなく進められるケースがあります。こうした派遣の活用は、人件費の固定化を避けつつ、必要なスキルを必要なタイミングで投入する柔軟性を企業に与えてくれるでしょう。
近年、国内の人手不足と高齢化が進む建設業界では、外国籍人材の活用が重要な選択肢になっています。とくに、IT・DX関連の業務や設計・施工管理でITツールを導入する際、外国人技術者を派遣で受け入れる動きが広がっているようです。
当社が提供する GITサービス(Global IT Talent)では、海外の優秀なエンジニアやBIM/CIM技術者を正社員として採用し、日本企業に派遣するモデルを提供しています。これにより、企業は国内で不足しがちな高度IT/技術人材を迅速に確保でき、システム開発や施工管理のデジタル化、DX推進などの実現につながっています。
また、建設業界においても、こうした外国籍の専門派遣人材の採用は、人手不足の穴を埋めるだけでなく、多様なバックグラウンドを持つ人材の登用による組織の柔軟性向上などの将来的な競争力維持にプラスの効果をもたらす可能性があります。
建設業では、人手不足の深刻化や業務量の増加、働き方改革による労働時間規制など、現場・バックオフィスの双方で効率化が求められています。こうした課題に対応するためには、BIM/CIMやIoT、ドローンなどを活用した現場管理のデジタル化、RPA・OCR・AIを用いた事務作業の自動化の導入が肝心です。
さらには派遣・外注の柔軟な活用など、複数の手段を組み合わせた総合的な改善が不可欠となります。実際の事例からも、効率化に成功している企業ほど、小さく始めて改善を継続し、自社課題に合ったツールや外部リソースを取り入れられているケースは多いです。
ヒューマンリソシアでは、建設業の実務を理解したスタッフが常駐しています。業務効率化における自動化の提案や運用支援など、一貫したサポートを実施しているので、お気軽にご相談ください。
建設現場やバックオフィスの業務効率化を検討されている人は、ヒューマンリソシアとともに、今後の事業発展に向けて一緒に業務効率化を推進していきましょう。
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